中国の生産設備関連産業は、ここ十年で大きな変革を遂げている。特に工作機械は、消費ならびに生産ともに世界一位に、産業用ロボットも世界トップの消費国となった。これは中国におけるモノづくりが、労働集約的なラインからこれらの生産財の活用へとシフトしつつあることに加え、IoT(Internet of Things)に向けた世界的な取り組みが中国でも展開されつつあることに起因している。中国ではこれらの潮流が、企業による動きのみならず、それを後押しする国や省政府などの支援によっても産み出されている。今後も拡大するとみられる同産業において、中国ではどのような動きがこれらの潮流の源となっているのだろうか。 /// 続きは本誌ご参照
先日、シシリー島にあるエトーレ・マヨラナ研究所で開催された国際会議に出席しました。この研究所の正式名称は「Ettore Majorana Foundation and Center for Scientific Culture」です。文化としての科学を研究するセンターであるように、量子力学の創始者たちの「サイエンスには文化的な側面がないと本物ではない」という強い思いを込めて名付けられたのであります。その熱意は今日まで続いており、1963年から毎年国際会議も開催されていますが、この会議に参加した後にノーベル賞を受賞した人たちも80人近くになりました。私も毎年参加して8年目となります。この研究所の近くに、神殿を中心に城壁で囲まれたギリシアの古代都市の遺跡(Selinunte)があり、この2千数百年前の遺跡から都市の形成を見ていますと、都市や都市国家の原型が見えるような感じがします。翻って今回の中国で行われている新型都市化(城鎮化)の政策は、都市そのものの本質に、かなり迫っていけるのではないかと考えております。 /// 続きは本誌ご参照