先日、シシリー島にあるエトーレ・マヨラナ研究所で開催された国際会議に出席しました。この研究所の正式名称は「Ettore Majorana Foundation and Center for Scientific Culture」です。文化としての科学を研究するセンターであるように、量子力学の創始者たちの「サイエンスには文化的な側面がないと本物ではない」という強い思いを込めて名付けられたのであります。その熱意は今日まで続いており、1963年から毎年国際会議も開催されていますが、この会議に参加した後にノーベル賞を受賞した人たちも80人近くになりました。私も毎年参加して8年目となります。この研究所の近くに、神殿を中心に城壁で囲まれたギリシアの古代都市の遺跡(Selinunte)があり、この2千数百年前の遺跡から都市の形成を見ていますと、都市や都市国家の原型が見えるような感じがします。翻って今回の中国で行われている新型都市化(城鎮化)の政策は、都市そのものの本質に、かなり迫っていけるのではないかと考えております。 /// 続きは本誌ご参照