日中経協ジャーナル。

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□ よくある質問と答え

これまでの「FOCUS」の 84記事 を、新しい号から順に表示しています。

  2025年5月号(通巻376号)

FOCUS
中国自動運転体験記2
佐々木伸彦  日中経済協会理事長
2024年12月の「中国自動運転考察ミッション」については、既にジャーナル3月号に松下聡当協会副会長(三菱電機株式会社グローバルチーフアドバイザー)から貴重な体験記を寄稿いただいている。中国の各都市で自動運転車が実社会に溶け込んでいる様子を体験してきて、「これはマズイな」と感じ、日本企業は中国に学ぼうとする謙虚な姿勢を持ち、新しい日中の協力関係を模索すべきではないか、という提言をされている。上海、蘇州、武漢で同じ体験をし、その体験を語り合いながらの5日間の旅であったが、自動運転ミッションは当協会の目玉事業とすべく、7月には広州、深圳を予定して来る。本稿では中国自動運転車の体験を、もう少し詳しく紹介していきたい。 /// 続きは本誌ご参照

  2025年3月号(通巻374号)

FOCUS
中国イノベーション最新事情―中国自動運転考察ミッションに参加して見えたこと2
松下聡  日中経済協会副会長、三菱電機株式会社グローバルチーフアドバイザー
中国のイノベーションは自動運転に限らず「国家を挙げての実証体制」により圧倒的スピードで進みつつある。これは過去の高速鉄道網の構築振りを見ても自明のことである。日本はこの事実を直視し、虚心坦懐に教えを乞うマインドセットをまず持ち、胸を借りつつも日本の強みを日中互恵によりさらに生かす手立てを考える時が来た。さもなければ「失われた30年」が40年、50年となりかねない。 /// 続きは本誌ご参照

  2025年2月号(通巻373号)

FOCUS
日中経済関係―二面性の理解にむけて2
金杉憲治  駐中華人民共和国特命全権大使
日中両国は「戦略的互恵関係」の推進という方向性を共有している。我々は、リアルな中国を直視し、巧みに付き合っていく必要がある。日本人は「漢字がわかる」というアドバンテージを持つが、中国は、マクロ経済、消費動向、技術開発、規制制度など、様々な点で「二面性」や複雑さを持っており、見落とさないよう気をつけたい。 /// 続きは本誌ご参照

  2025年1月号(通巻372号)

FOCUS
米大統領選挙を終えた中国経済の行く末―日本企業は中国市場とどのように向き合うべきか2
瀬口清之  一般財団法人キヤノングローバル戦略研究所研究主幹
次期トランプ政権の対中政策は予測困難である。選挙公約通りに対中強硬政策を実施すれば米国経済が受けるダメージも大きい。中国経済は2022年以降停滞が続いており、今後2~4年はこの状態が続く可能性が高い。しかし、日米欧などの競争力の高いグローバル企業は引き続き中国市場を重視し、積極的な投資姿勢を維持している。日本では反中感情が根強いこともあって、中国経済に対するネガティブなバイアスのかかった見方が支持されやすい。そうした中で日本企業が中国ビジネスのチャンスとリスクを的確に把握するには、経営陣自身が年に数回でも中国現地に足を運び、自らの目で中国市場を理解することが不可欠である。 /// 続きは本誌ご参照

  2024年12月号(通巻371号)

FOCUS
変化し続ける中国と、どう向き合うか2
宮本雄二  宮本アジア研究所代表
2022年の党大会において習近平政権は思想、体制、人事体制を完成させ、自らの「路線」の構築を終えて、それを実行する段階に移行した。ゼロ・コロナ政策の突然の放棄と経済の失敗は、政権に対する党および社会の求心力を低下させている。この求心力の低下こそが、現時点における政権の最大の課題である。対米関係や経済の修復に苦戦する中、政権は「路線」の軌道修正を求められている。中国の変化に対応して、日本は明確な対中戦略の下に、関係強化を図るべきであり、安全保障と経済両面を包括した、バランスのとれた日中関係を構築できるかが鍵となる。 /// 続きは本誌ご参照

  2024年11月号(通巻370号)

FOCUS
知の進化により日中関係に新たな地平を拓こう―新時代の日中協力2
福川伸次  一般財団法人地球産業文化研究所顧問
日中両国は日中関係における知の進化を通して世界の政治、経済、軍事に変革を起こしていくべきである。そのために、産業革命から現在までの技術的進化を振り返り、サプライチェーン構築、文化と産業の融合、都市と農村の一体化、SDGsの達成、AI技術の適正利用など、日中間協力の可能性と課題を考察し、知の進化を通じて、日中関係の進化とアジア太平洋地域の共栄を目指すことを提案したい。 /// 続きは本誌ご参照

  2024年9月号(通巻368号)

FOCUS
中露関係の最近の展開―ウクライナ侵攻勃発後の両国関係2
廣瀬陽子  慶應義塾大学総合政策学部教授
2014年のロシアによるクリミア併合とウクライナ東部の危機、そして、22年からのロシアによるウクライナ侵攻によって、ロシアは欧米から深刻な制裁を課せられ、国際的にも孤立する一方、中露関係はより深まってきた。中国はウクライナ侵攻に賛同はしないものの、反対もせず、また武器の輸出はしないものの、デュアルユース品を輸出し、ロシアのエネルギーを購入することで、実質的にロシアを支援してきた。ウクライナ和平を巡っても、ウクライナの立場に賛同せず、実質的にロシアを支援しているが、この協力関係が安定的に継続するかは定かではない。 /// 続きは本誌ご参照

  2024年8月号(通巻367号)

FOCUS
初の日米比首脳会談から見る今後の米中関係2
中澤克二  日本経済新聞編集委員兼論説委員
太平洋に臨む日本、米国、フィリピンという3カ国の連携が強まっている。第二次世界大戦、太平洋戦争の終結から80年を前に、3カ国による新たな首脳会談、安全保障の枠組みが動き始めたのは注目すべきである。その主要なターゲットが中国であることは間違いない。中国は今、南シナ海、台湾周辺から西太平洋への進出を視野に入れている。この軍事的台頭にどう対処するのか。日米比3カ国の枠組みは、米中両国の「新冷戦」の行方を占う上でも極めて重要だ。 /// 続きは本誌ご参照

  2024年7月号(通巻366号)

FOCUS
減少する中国の対内直接投資と今後の展望2
福本智之  大阪経済大学経済学部教授
中国の対内直接投資が減少している。国際収支統計上の対内直接投資が、2023年第3四半期に1998年の統計公表以降、初めてのマイナスとなり注目を集めた。中国政府は、コロナ禍からの経済の回復が弱い中で、経済を回復軌道に乗せるために外資誘致に躍起になっている。本稿では、中国の対内直接投資の減少とその背景にある外資企業のビジネススタンスの変化を考察する。特に日本企業の直接投資動向や資本の本国への一部引き揚げの動きについても分析する。これに対する中国政府の外資誘致政策の強化を踏まえ、今後の外資企業の対内直接投資の行方を左右する要因を論じる。 /// 続きは本誌ご参照

  2024年6月号(通巻365号)

FOCUS
海南自由貿易港と中日産業協力2
李明星  中国企業聯合会副会長、海南世界貿易中心集団会長
中国は半世紀に及ぶ改革開放の歴史の延長線上に、2025年末から海南自由貿易港(以下FTPと略す)の実現に向けて万端の準備を進めている。海南FTPは世界レベルの経済特区を目指すもので、新時代における中国最高水準の改革開放の最前線として、今後中国の開放型経済発展の牽引役が期待されるだけでなく、グローバル企業に良好な国際ビジネスの舞台を提供し、中日産業協力に重要な戦略的チャンスと新たな選択肢をもたらすだろう。 /// 続きは本誌ご参照

  2024年5月号(通巻364号)

FOCUS
全人代から見た中国の2024年の経済政策2
田中修  拓殖大学大学院経済学研究科客員教授
全人代で決定された「政府活動報告」は、2023年7月以降に打ち出された景気テコ入れ策を基本的には踏襲しつつも、(1)民営企業・外資企業・消費者のマインド向上の強調に、(2)安定よりも前進と新しい制度・政策・システムの確立の重視、(3)各政策とマクロ政策との方向性の一致の要請、(4)短期的需要刺激策による内需拡大とサプライサイド構造改革の重視、(5)「新たな質の生産力の発展」がサプライサイド構造改革の中心、等の新しい特徴がある。 /// 続きは本誌ご参照

  2024年2月号(通巻361号)

FOCUS
EVが試す日中攻防ハンガリーとアジアからの報告2
  ブダペスト・コルヴィヌス大学客員研究員
中国が大きく先行し、日本が追う―。電気自動車(EV)をめぐって、かつてない構図の競争が繰り広げられている。EV化を進める政策の世界的な広がりで、日本経済の主軸を担ってきた自動車産業は大きな変革期にある。ドイツ、中国、韓国のEV関連の有力企業がひしめくハンガリーで欧州の激動を体感しながら、日本車の「牙城」とされてきた東南アジアの現況に思いをはせた。日中攻防の行方を決めるものは何か。 /// 続きは本誌ご参照

  2024年1月号(通巻360号)

FOCUS
中国経済の「ソ連化」リスク2
呉軍華  株式会社日本総合研究所上席理事
中国経済の先行きに対する懸念が高まっている。中でも、中国をバブル崩壊後の日本に準えて議論し、中国経済が「日本化」していくのではないかとの声が喧伝されている。確かに、高齢化や不動産市況の悪化、累積債務など、目下の中国が直面している問題の多くが当時の日本に似通っている。しかし、政治制度が違い、経済構造と発展段階も大きく異なる中国経済が「日本化」する可能性はほとんどないだろう。それよりも、懸念すべくは中国がソ連、中でもブレジネフ時代のソ連経済と同じ轍を踏むリスクだと、筆者は主張したい。 /// 続きは本誌ご参照

  2023年10月号(通巻357号)

FOCUS
未来志向の中国日本商会を目指して―中国日本商会・本間哲朗会長に聞く2
伊藤季代子(聞き手)  日中経済協会北京事務所副所長
中国に進出する日系企業の拠り所として30年余りにわたって日本企業の中国ビジネスをサポートしてきた中国日本商会。2023年4月、これまで大手商社の中国総代表が持ち回りで務めてきた会長職を、パナソニックホールディングスの本間哲朗氏が引き継いだ。6月に同商会が上梓した毎年恒例の「中国経済と日本企業2023年白書」を踏まえ、今後の同商会の取り組みや日中関係についてお話を伺った。 /// 続きは本誌ご参照

  2023年9月号(通巻356号)

FOCUS
「一帯一路」10年の歩みと広域経済圏の未来2
篠田邦彦  政策研究大学院大学教授
今年は、習近平国家主席が2013年に「一帯一路」構想を提唱してから10周年を迎える節目の年である。一帯一路構想は、中国と沿線諸国との関係強化、貿易・投資やエネルギー調達の拡大、新たな対外金融協力モデルの創出といった成果を実現したが、プロジェクトの大幅な遅延、援助受入国の債務超過、一部の国の期待レベルの低下という問題も発生した。「自由で開かれたインド太平洋」を推進する日本には、第三国市場協力を通じてアジアでの経済・社会課題や債務危機問題の解決を進めていくことが期待される。 /// 続きは本誌ご参照

  2023年7月号(通巻354号)

FOCUS
相互信頼の種を蒔き生きる源流を汲み 協力の花を咲かせる2
呉江浩  中華人民共和国駐日本国特命全権大使
第13代中華人民共和国駐日本国特命全権大使として、新時代の要請にふさわしい中日関係の構築を推進するという重要な使命を担っていることを光栄に思います。就任以降、日本の経済界をはじめとする各界の方々を訪問してきましたが、新型コロナウイルス流行により中断した交流と協力を再開したいという声を最も多く耳にし、これはお互いの重要な共通認識となっています。中日双方は、2023年の中日平和友好条約締結45周年を契機に、両国首脳による重要な共通認識を導きとし、中日の四つの政治文書にうたわれた原則と精神を厳守し、矛盾と相違を適切にマネージし、人的交流を拡大し、互恵協力を深め、中日関係を正しい軌道に乗せて前進させていくべきです。 /// 続きは本誌ご参照

  2023年6月号(通巻353号)

FOCUS
日中関係と日本の立ち位置2
横井裕  日本オリンピック委員会常務理事、前駐中華人民共和国特命全権大使
2016年5月から20年11月まで大使として北京に在勤した。私にとっては6度目の中国勤務だった。この間多くの方の努力により日中関係は一定程度の改善をみたが、その中での印象的な事柄を紹介したい。帰国後もコロナ蔓延の継続、米中関係の悪化、ロシアのウクライナ侵攻等国際情勢を大きく揺るがす事態が起こっているが、中国に対する日本の基本的な立ち位置を確認しておきたい。 /// 続きは本誌ご参照

  2023年3月号(通巻350号)

FOCUS
ウクライナ戦争で色分け濃くなる民主主義VS権威主義2
神子田章博  日本放送協会解説委員室解説主幹
トランプ前政権時代の貿易摩擦から始まった米中対立は、ロシアのウクライナ侵攻を経て、民主主義国家と権威主義国家という世界の色分けにつながっている。また2022年10月の共産党大会で習近平総書記が台湾統一への強い意欲を示したことで、台湾への武力侵攻のおそれが強まっているという見方が広まるなど、中国脅威論が一段と強まっている。しかし、経済という観点から見れば、中国の成長力は構造的な減速要因を抱え、決して万全の状況とは言えない。米中の経済力の現在と未来、アジアをめぐる覇権争いの行方、そして台湾有事の可能性について考えていきたい。 /// 続きは本誌ご参照

  2023年2月号(通巻349号)

FOCUS
変化する世界構造、新たな日中関係への期待―中国共産党第20回全国代表大会の成果を視野2
福川伸次  一般財団法人地球産業文化研究所顧問
2022年10月、習近平総書記の3期目の政権が発足した。国際社会が対立と不信を高める中、新政権が法と秩序の下、国際社会に信頼と協調を取り戻すことに貢献することが期待される。同時に日中両国は、国交正常化50年にわたる諸先輩の努力の上に質の高い経済の実現と人間重視の社会に向けて英知を結集し、地球社会の安定と人類の福祉の向上に先導的役割を果たすことが求められる。 /// 続きは本誌ご参照

  2023年1月号(通巻348号)

FOCUS
三期目に入った習近平政権の行方―経済、政治、外交2
津上俊哉  日本国際問題研究所客員研究員
2022年10月の中国共産党第20回大会で予想どおり三期目に入った習近平政権だが、国内外ともに難しい問題に直面している。ここ数年の中国の様々な動向を見ることで、現在中国が抱えている課題の掘り起こしを行うとともに、今後の習政権の行方を占う。 /// 続きは本誌ご参照

  2022年9月号(通巻344号)

FOCUS
日中50年の歴史や人の繋がりを新たな経済交流の芽に2
上田敏裕  AGC株式会社執行役員、AGCグループ中国総代表
日中国交正常化50周年おめでとうございます。この50年の間に、国、企業、人の様々な交流の歴史が刻まれたことで、今を形作っていると思います。とりわけ経済面での長く深い交流は、互いの発展や成長を牽引する上で大いに価値あるものであったと思います。いま私たちは大きな節目を迎えていますが、祝祭の雰囲気はまだ実感できていません。しかし、長い日中間の交流においては山あり谷あり。こうした節目節目で少しでも前に進めようという芽が生まれ、次の山を目指す機会と捉えて新たな交流が始まったのではないのでしょうか。私自身は中国歴が浅く、長く深い交流の歴史を語る資格はありません。そんな私ですが、50歳半ばを過ぎて飛び込んだ初めての中国での経験を共有することで、皆さまの活動や今後の日中の経済発展の一助となれば幸いです。 /// 続きは本誌ご参照

  2022年8月号(通巻343号)

FOCUS
CASE革命による新たなモビリティ社会像と日中連携の視点2
福永茂和  経済産業省製造産業局自動車課ITS・自動走行推進室長
現在、世界の自動車産業は、CASE革命によるパラダイムシフトを迎えている。中国はEVや蓄電池の市場導入で世界を先導しているが、我が国も昨年、グリーン成長戦略を策定し、官民挙げて電動化に向けた取り組みを抜本的に強化している。今後は、電動化に加えて自動運転などのデジタル化が一層進展していくと見込まれ、独自の進化を遂げる中国の自動車産業に対し、我が国がどのように向き合うべきか、筆者の中国での勤務経験も踏まえ考察する。 /// 続きは本誌ご参照

  2022年7月号(通巻342号)

FOCUS
ロシアから展望する中ロ経済関係2
鈴木義一  東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授(現代ロシア地域研究)
2014年のクリミア編入以降、ロシアの対外経済関係の重心はヨーロッパからアジアへとシフトしてきた。そして22年2月24日に始まったウクライナへの軍事侵攻と世界からの厳しい経済制裁によって、ロシア経済の中国への依存度がいっそう強まるのは間違いない。 /// 続きは本誌ご参照

  2022年5月号(通巻340号)

FOCUS
ロシア暴走、米中の対立深める2
秋田浩之  日本経済新聞社本社コメンテーター
ロシアによるウクライナ侵略は第2次世界大戦後、大国による最も酷い暴挙といえる。西側諸国はロシアに重い制裁を浴びせ、事実上、経済封鎖に近い措置をとっている。ところが、中国はいまだにロシアの行為を「侵略」と呼ばず、ロシア寄りの姿勢を崩していない。世界秩序の命運がかかったこの戦争で、埋めがたい溝が浮き彫りになった米中。ウクライナ侵略は両大国がさらに新型冷戦に近づく転機になるだろう。 /// 続きは本誌ご参照

  2022年4月号(通巻339号)

FOCUS
反日の韓国 親日の台湾―何が対照をもたらしたのか:緊張をつづける日韓関係2
渡辺利夫  拓殖大学顧問
戦前期の35年間、韓国は日本の統治下におかれた。第二次大戦での日本の敗北により、韓国は3年間にわたる在韓米軍政庁(米軍政)による直接支配を受け、その後、1948年に大韓民国として独立した。日韓正常化交渉は52年に開始され、65年の妥結にいたるまで中断と再開を繰り返して14年を要するという、日本の外交史上においても稀にみるほどに難渋な交渉であった。 /// 続きは本誌ご参照

  2022年3月号(通巻338号)

FOCUS
2022年の経済政策の展望2
田中修  独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所新領域研究センター上席主任調査研究員
2021年12月8~10日、中央経済工作会議(以下「会議」)が開催され、22年の経済政策の基本方針が決定された。会議では、中国経済が需要の収縮・供給へのダメージ・予測の弱気化の三重苦に直面しているとし、22年の経済政策は「穏」(安定・穏健)を第一とし、マクロ経済の大基盤の安定と社会の大局の安定を維持しなければならないとする。他方で、新たな発展段階の中期的な実践問題として、共同富裕の実現等5つの課題を挙げている。 /// 続きは本誌ご参照

  2022年1月号(通巻336号)

FOCUS
日中国交正常化50周年に当たっての振り返り、今思うこと2
小久保憲一  株式会社日立製作所業務役員専務(中国地域担当)、日中経済協会常任理事
本年2022年は日中国交正常化50周年に当たる。振り返って見ると誠に感慨深いものがある。1972年9月、私は高校2年生だった。テレビで田中角栄首相と周恩来総理が乾杯をし、アナウンサーが、日中国交回復であります、と叫んでいるのを見て、これから日本と中国の関係はとてつもなく発展すると予感し東京外国語大学中国語学科に進むと決めた。78年、大学4年生の時、鄧小平氏が来日、日中平和友好条約締結となり、第一次中国ブームが沸き起こった。学友の多くは商社を目指したが、私は製造業に惹かれ79年4月、日立製作所に入社した。この時から43年間にわたる中国との関わりが続くことになる。その間、電力部門/海外営業責任者としてシンガポール勤務、欧米/アジア等のビジネスも経験したが、基本は中国に根を下ろしていた会社人生であった。この機会に、共に励んだ諸先輩、仲間達への感謝と、これから先、長きにわたり中国ビジネスに携わる若い方々への大きな期待とエールを込めながら、これまでの経験と今思うことを申し上げたい。 /// 続きは本誌ご参照

  2021年12月号(通巻335号)

FOCUS
日中経済協力会議の回顧と展望2
堂ノ上武夫  日中経済協会専務理事、日中東北開発部会長
当協会が中国東北地方4省区と共に2021年9月に瀋陽市で開催した「2021年日中経済協力会議-於遼寧」は、中国の東北地方と日本の地方自治体の地域間交流を軸として、人脈形成、情報収集・発信およびビジネスマッチングの面で一定の役割を果たした。19回にわたる日中経済協力会議の歴史を回顧しつつ今回会議を総括した上で、今後のあり方を展望する。 /// 続きは本誌ご参照

  2021年10月号(通巻333号)

FOCUS
2020年の人口センサスで見た中国経済の課題―労働力の減少と地域間の移動を中心に2
関志雄  野村資本市場研究所シニアフェロー
中国では、2021年5月11日に20年に実施された「第七回全国人口センサス」の結果が発表された。これにより、中国における人口規模や、人口の年齢構成、男女別構成、地域分布、農村部と都市部の間または地域間の移動状況などの実態が明らかになった。 /// 続きは本誌ご参照

  2021年9月号(通巻332号)

FOCUS
日中経済関係に望むこと2
垂秀夫  駐中華人民共和国特命全権大使
日中両国は隣国であるからこそ、様々な懸念事項や立場の違いがあるが、互いに引っ越しできない関係にある以上、安定的で建設的な関係を構築していくことしか選択肢はない。中国が必ずしも国際的なスタンダードで行動していない課題もあるが、これに対して我々ははっきりと主張していく。そのためには、いかなる時も率直に話し合える関係を構築しておかなければならない。言うべきことは主張し、譲歩できないところは絶対に譲歩しない。一方で協力できるところは積極的に協力していく。「是々非々」で、安定的な関係を構築することが重要である。 /// 続きは本誌ご参照
日中国交回復の井戸を掘った人々を回顧し、今後の日中関係を展望する4
井出亜夫  一般社団法人国際善隣協会諮問委員、一般財団法人地球産業文化研究所理事、一般財団法人国際経済連携推進センター理事、一般財団法人機械振興協会理事、一般社団法人フォーカス・ワン代表理事
日本近代史における日中関係は、日清戦争、対華21カ条の要求と五四運動、満州事変と日中戦争等、不幸にも日本が主導したアジア政策の下で推移した。宮崎滔天、梅屋庄吉など多くの日本人が支援した辛亥革命の指導者・孫文は、1924年「日本は欧米列強の覇道の走狗となるのか、アジアの王道の先駆となるのか、それは日本人自身が決めることだ」と述べ日本を去ったが、日本は前者の道を歩んでしまった /// 続きは本誌ご参照

  2021年8月号(通巻331号)

FOCUS
中国がミャンマーに気遣わなければならない理由2
深沢淳一  読売新聞元アジア総局長、神戸大学客員教授
軍事クーデターの混乱が長期化するミャンマー情勢を巡り、中国がミャンマーの軍部と東南アジア諸国連合(ASEAN)との仲裁役として、存在感を強めている。中国にとってミャンマーは安全保障上、雲南省とインド洋の直結ルートに位置する極めて重要な隣国だ。10年前にミャンマーが民政移管で外交の舵を欧米寄りに切って以来、中国は民主化勢力への配慮も含めて、ミャンマーに対する「気遣い外交」に腐心している。 /// 続きは本誌ご参照

  2021年6月号(通巻329号)

FOCUS
米中対立と中国の外交戦略2
青山瑠妙  早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授
バイデン政権は当選直後から、中国とは競争するところは競争し、協力できるところは協力すると宣言した。2021年3月にアラスカ州で行われた米中外交トップ会談でブリンケン国務長官と楊潔篪政治局委員は冒頭から激しい応酬を交わしたが、その様子はメディアで世界中に中継され、米中対立の根深さが端的に示された。他方4月17日に、気候変動の米大統領特使として上海を訪れたジョン・ケリー元国務長官が中国との間で気候変動に関する米中共同声明を公表したのに続き、同月22日から2日間の日程で開催された米国主催の気候変動サミットに習近平国家主席が出席し、「米国を含む国際社会と協力して地球環境の管理を推進していきたい」と述べた。 /// 続きは本誌ご参照

  2021年5月号(通巻328号)

FOCUS
見えてきた米バイデン政権の対中戦略2
吉崎達彦  双日総合研究所チーフエコノミスト
3月18~19日にアンカレッジで行われた米中外相級会談では、冒頭からブリンケン国務長官と楊潔篪共産党中央政治局委員が衝突し、全世界を驚かせた。しかし米中間には協力すべき分野も多く、様々な思惑が交錯しているのも事実である。発足して間もない米バイデン政権は、同盟国との協力を重視しつつ、時間をかけて慎重に対中政策を描こうとしているように見える。果たして日本外交が取るべき選択とは、どのようなものなのだろうか。 /// 続きは本誌ご参照

  2021年3月号(通巻326号)

FOCUS
RCEPの締結とアジア太平洋の経済連携2
石川幸一  亜細亜大学アジア研究所特別研究員
RCEPは2020年11月に東アジアの15カ国により署名された。RCEPは後発開発途上国に配慮しながら「現代的、包括的で質の高い、互恵的な経済連携」を構築することを目的にしており、ASEAN+1FTAを超える自由化を目指している。RCEPの経済効果は日中韓3国が大きい。また、交渉最終段階で離脱したインドは発効後いつでも復帰が可能である。 /// 続きは本誌ご参照

  2021年1月号(通巻324号)

FOCUS
日中関係の新展望2
宮本雄二  宮本アジア研究所代表
新型コロナウイルスは世界中に蔓延し、世界を大混乱に陥れている。コロナ後の世界は、それ以前とは違うという予測は恐らく正しいだろう。しかし、それがどの分野で、どのような、どの程度の変化をもたらすかは分かっていない。興味深いことに、1918年から19年にかけて世界を席巻し、世界人口の25〜30%が罹ったとされるスペイン・インフルエンザは、第一次世界大戦の最中であったということもあり、その後の世界情勢に大きな影響を及ぼすことはなかった。戦争の衝撃は、それほどまでに大きいということだ。 /// 続きは本誌ご参照

  2020年12月号(通巻323号)

FOCUS
米中対立 両極のシナリオ2
秋田浩之  日本経済新聞社コメンテーター
米大統領選はバイデン氏の勝利が確実になり、世界はすでに「バイデン政権」を前提に動き出している。トランプ氏はなお敗北を認めず、法廷闘争を続ける構えをみせているが、さすがに結果が覆ることはないだろう。 /// 続きは本誌ご参照

  2020年11月号(通巻322号)

FOCUS
関西経済と中国―対中貿易から見るCOVID-19の影響2
稲田義久  アジア太平洋研究所研究統括兼数量経済分析センター長、甲南大学教授
COVID-19の感染拡大抑制策の実施は、経済活動の阻害につながるため日本経済への影響も深刻であるが、その実態をGDP統計の供給と需要の両面から分析する。続いて、関西経済について、コロナ禍の影響を明らかにした後、全国的に見ても対中貿易のシェアが圧倒的に高いという特徴を持つ貿易構造の動態と産業構造の関係を整理しながら、取り組むべき課題に迫る。 /// 続きは本誌ご参照

  2020年10月号(通巻321号)

FOCUS
アジア経済連携の新たな視点2
篠田邦彦  政策研究大学院大学政策研究院教授・参与
2020年初頭から世界各国に拡大したコロナ禍は、国際秩序の危機の顕在化・増幅、アジア経済の需給両面からの悪化、デジタル経済・社会の拡大・深化等の影響をもたらしている。日本としては、インド太平洋地域において、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の年内署名や感染症・経済対策等の取り組みを通じて、ポスト・コロナの国際秩序の安定や地域協力の推進でリーダーシップをとっていくべきである。 /// 続きは本誌ご参照

  2020年9月号(通巻320号)

FOCUS
激化する米中対立とその展望2
川島真  東京大学大学院総合文化研究科教授
米中対立はその程度をいっそう増している。当初は経済貿易面での対立として現れ、第一次合意により一定の解決をみたが、その後経済貿易面での問題から技術面での対立へと移り、サプライチェーンのデカップリングが進められ、さらに5月以降明確に民主や自由、あるいは人権などの「価値」が対立の争点となった。ここには香港、新疆などとともに台湾も視野に入る。そして、6月には米中間で関税などをめぐる第一次合意は履行されることが決まり、対立はいったん沈静化したかに見えた。しかし、7月になって米国がヒューストンにある中国総領事館を、スパイ活動などの拠点になっているとして閉鎖を命じ、中国も報復措置で成都の米国総領事館に閉鎖を命じた /// 続きは本誌ご参照

  2020年8月号(通巻319号)

FOCUS
コロナ感染症を克服し、世界にニュー・レジームを―人間安全保障の確立を視野2
福川伸次  一般財団法人地球産業文化研究所顧問、日中経済協会21世紀日中関係展望委員会委員長
2020年初頭に発生した新型コロナウイルスは、かつて例を見ない規模で感染者と死亡者を出し、世界の医療体制を始め政治、経済、社会の運営に大きな脅威を与えている。それは、世界に感染症対策の充実を促すとともに、デジタル・ニュー・ディールとでもいうべきシステムの開発を示唆している。同時に、政治、経済、人間の総合安全保障を背景に新しいグローバリズムの構築を求めている。 /// 続きは本誌ご参照

  2020年6月号(通巻317号)

FOCUS
経済V字回復より民生安定を重視へ第1四半期経済指標発表に思うこと2
津上俊哉  日本国際問題研究所客員研究員
中国は初動で情報公開を抑える過ちを犯したが、その後は特異な政治体制の利点を発揮して苛烈な隔離政策を断行し、3月末には、中国で「コロナ・ウイルス禍」制圧のめどが付いたのではないかという期待感が高まった。 /// 続きは本誌ご参照

  2020年4月号(通巻315号)

FOCUS
日中協力を如何に進めるか―求められる国際公共財の共同提供2
関志雄  野村資本市場研究所シニアフェロー
日中協力は、長い間、日本による中国への政府開発援助(ODA)が中心だった。しかし、経済の高成長を背景に中国がODAの受入側から供与する側に変わったことを受けて、両国の協力の焦点は国際公共財の共同提供にシフトしている。中国が主導する「一帯一路」構想は、そのための重要なプラットフォームとなっている。これに加え、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大をきっかけに、感染症対策も、日中協力の緊急課題として浮上している。 /// 続きは本誌ご参照

  2020年3月号(通巻314号)

FOCUS
日中交流の過去および現状と展望2
井出亜夫  AXISグローバル・パートナーズ株式会社相談役
日中国交正常化から48年が経ち、日中関係は一つの岐路に立っている。ここに至るまでに、日中両国は長い歴史の中で交流を重ね、お互いに学びあい、それぞれ独自の思想と伝統を養ってきた。今後我が国は、世界第二の経済大国にまで成長した中国とどう協力し、世界に貢献していけばよいのだろうか。 /// 続きは本誌ご参照

  2020年2月号(通巻313号)

FOCUS
第24回日中民商事法セミナー報告―中国国家発展改革委員会・林念修副主任来日活動について2
小杉丈夫  公益財団法人国際民商事法センター理事、松尾綜合法律事務所弁護士
2019年度の日中民商事法セミナーは、20年1月1日に施行された中国外商投資法と、中国が国を挙げて推進するスマートシティ建設という、日本企業の関心の高い2つのテーマを取り上げた。法律とハイテク部門を2つの柱とする日中交流が、今後ますます発展することが期待されている。(本セミナーの詳細記録は、国際民商事法センターウェブサイトに掲載される予定である。併せて参照願いたい) /// 続きは本誌ご参照

  2020年1月号(通巻312号)

FOCUS
日中関係、新次元への展開ー世界協調、技術創新、産文融合、知的進化を目指して2
福川伸次  一般財団法人地球産業文化研究所顧問
最近、世界のガバナンス機能が揺らいでいる。米国をはじめ、多くの国が国内利益を優先する対外政策を展開して、政治、経済、貿易、技術などで優位性を競い合っている。軍事面では、核軍縮はおろか、北朝鮮、イランなどで核の危険が高まっている。グローバリズムは、19世紀以来、人類が苦悩してきた拡張主義、軍国主義、保護主義、そしてイデオロギーの対立を超えてようやく手に入れた資産である。それにもかかわらず最近の主要国の政治は、ポピュリズムに流され、地球の全体最適の観点に欠けている。人工知能(AI)やビッグデータなどに支えられたデジタル経済は、経済構造や企業経営のみならず、国際、政治、文化、社会などあらゆる分野で新しいシステムを拓き、人々の価値観にも大きな変革をもたらす。人類は、狩猟、農耕、産業、情報へと経済活動の牽引力を進化させてきたが、今後は、どのような経済社会を目指すのであろうか。2000年にわたる友好の歴史を持つ日中両国は、その英知と経験を結集して、地球社会の進化と安定に努めるべきである。 /// 続きは本誌ご参照

  2019年12月号(通巻311号)

FOCUS
ヘルスケア産業推進と日中協力の展望2
西川和見  経済産業省商務・サービスグループヘルスケア産業課長
日本政府は「アジア健康構想」を制定し、中国を含むアジアに対して、医療を頂上に、これを支える予防やケアのサービス、さらに町づくりや消費財といった裾野の広いサービスまで含め、日本の健康長寿を実現した幅広い産業「富士山型のヘルスケア」をアジアと共有していくこととしている。また日本では、ヘルスケア分野でのSociety5.0の実現に向け、多くの産業が参入し、超高齢社会のニーズに根ざしたイノベーションが次々と生み出されている。収拾するデータ量や分析スピードにおいては日本を上回るものもある中国に対して、そこと張り合うのではなく、日本は個人に信頼される「質の高いデジタルヘルス」を生み出すことで、補完的な関係を構築していくことが期待される。 /// 続きは本誌ご参照

  2019年11月号(通巻310号)

FOCUS
日中経済交流の展望―合同訪中代表団を終えて2
岩永正嗣  日中経済協会北京事務所長
第45回日中経済協会合同訪中代表団一行は、9月9~14日の日程で北京での国家指導者会見、経済関係官庁との全体会議、地方視察を実施した。日本経済団体連合会、日本商工会議所との合同派遣の形態となって5回目となった今回も、230人が参加し、中国との経済交流に対する日本側の期待の高さがうかがえた。本稿では、北京での一連の会見・会議を振り返るとともに、今後の日中経済交流の在り方を考察する。 /// 続きは本誌ご参照

  2019年10月号(通巻309号)

FOCUS
ウィンウィンの中日協力 新時代を共に切り拓こう2
孔鉉佑  中華人民共和国駐日本国特命全権大使
今年は新中国成立70周年にあたり、日本も令和時代に入った。中日関係はいま歴史の新たなスタートラインに立ち、新たに重要なチャンスを迎えている。中日の経済は高度に補完的で、利益は深く融合している。経済・貿易分野の協力は強大な生気に満ち活力にあふれ、全方位かつ重層的で、高水準の発展ぶりを示している。世界第2、第3の経済大国であり重要な経済協力パートナーである中国と日本は、一層固く手を携えて、ウィンウィンの中日協力新時代を切り拓いていくべきである。 /// 続きは本誌ご参照

  2019年8月号(通巻307号)

FOCUS
米中対立の行方2
津上俊哉  現代中国研究家、日本国際問題研究所客員研究員
世界中が息を詰めて見守っていたG20大阪サミットでの米中首脳会談は6月29日に行われ、「貿易戦争」を巡る閣僚級交渉の再開、米側は残る中国からの輸入3000億ドル分に新たな関税(いわゆる第四弾)を課さないことなどを約して終わった。これ以上のエスカレーションが回避されたことに世界は安堵したが、交渉の前途は依然として多難だろう。それは米中両国とも、国内に「安易な妥協に反対する」強硬派を抱えるからだ。 /// 続きは本誌ご参照
外商投資法のインパクト4
射手矢好雄  森・濱田松本法律事務所弁護士、一橋大学特任教授
中国で外商投資法が制定され、2020年1月から施行される。従来の合弁企業法等が廃止され、外資に対する法体系が一新される。現行の合弁企業は24年末までに会社組織を変更して株主会を設置しなければならない。会社の解散は株主会の特別決議(3分の2以上の賛成)で可能となる。外国からの投資については、ネガティブリストに記載がなければ、設立に認可が不要である。中国への技術譲渡の強制を禁止するなど、投資を保護する方向にあるが、法律を具体化する規則は未制定なので、今後の進展を見守らなければならない。 /// 続きは本誌ご参照

  2019年7月号(通巻306号)

FOCUS
米中対立と中国外交2
川島真  東京大学大学院総合文化研究科教授
米中対立は単なる貿易や関税をめぐる問題ではない。その背景には歴史的な覇権をめぐる問題がある。米国の厳しい対中姿勢は、包括的であり、また超党派的であり、そして制度的、さらに長期的なものだろう。さらには米国以外へと拡大していく可能性もある。米国の中には技術面でのディカップリングを望む方向性もあるが、安保は米国、経済は中国というわけにはいかない。そうした中で、中国と強いサプライチェーンを有する日本は、技術をめぐりどう対応すべきか。 /// 続きは本誌ご参照

  2019年4月号(通巻303号)

FOCUS
自由貿易体制と日中関係2
田村暁彦  政策研究大学院大学教授(2019年4月より復旦大学日本研究センター客員教授を兼務)
「自由貿易体制と日中関係」について論ずるに当たり、最も重要な考慮要素は、中国あるいは日本の動向ではなく、目下、国際通商体制の攪乱要因と目されているトランプ政権下での米国通商外交の動向である。特に対中関係で米国は様々な措置を講じてきた。例えば、米国は1974年通商法301条に基づき3度にわたり対中輸入(合計2500億ドル分)に対し追加関税を賦課してきている。このうち3度目の措置、すなわち18年9月24日に賦課を開始した5745品目、2000億ドル相当分について、開始時は10%とした追加関税率を19年1月1日より25%に引き上げる予定であったが、18年12月1日の米中首脳会談により引き上げを3月1日まで延期、その間、中国側の不公正貿易慣行の改善に向け交渉が行われることになった。 /// 続きは本誌ご参照

  2019年3月号(通巻302号)

FOCUS
夢は「空のシルクロード」―一帯一路のその先に2
大橋洋治  ANAホールディングス株式会社相談役
習近平国家主席が提唱する「一帯一路構想」。陸路と海路で、中国を起点にユーラシア大陸を横断、その沿線での経済発展を目指そうという構想だ。「21世紀版シルクロード」と言われるこの構想は、「交通路の発展が、経済、文化の発展につながる」という理念においては、私も理解するところである。しかしながら、私には大きな不満がある。それは、唐の時代から1000年以上過ぎた21世紀の現代にもかかわらず、このシルクロードには、「空」の視点がない、ということだ。 /// 続きは本誌ご参照
米中経済摩擦と中国の経済政策6
田中修  奈良県立大学特任教授、日本貿易振興機構アジア経済研究所新領域研究センター上席主任調査研究員
2018年の経済は減速したが、これは米中経済摩擦の影響というよりは、金融リスクの軽減のため、地方政府のインフラ投資を制限し、銀行の簿外業務・シャドーバンキングの管理を強化した結果である。19年も、習近平指導部は大型景気対策を発動せず、債務リスクの軽減、改革・開放に取り組む方針であるが、今後米中経済摩擦が激化し、雇用が悪化すれば、方針の転換もあり得る。経済の持続可能性を意識した冷静な内外への対応が望まれる。 /// 続きは本誌ご参照

  2019年1月号(通巻300号)

FOCUS
日中協力、新次元への展開―質の高い経済社会を目指して2
福川伸次  一般財団法人地球産業文化研究所顧問、日中経済協会21世紀日中関係展望委員会委員長
2018年9月に派遣した日中経済協会合同訪中代表団で、当協会21世紀日中関係展望委員会が取りまとめた「世界経済秩序の確立とイノベーションの新展開:日中協力の新たな指針」と題する第15回提言書が、宗岡正二会長から李克強総理に手渡された。提言書に込められた福川委員長の思いが語られる。 /// 続きは本誌ご参照

  2018年12月号(通巻299号)

FOCUS
知財強国への道を突き進む中国―中国に抜かれた日本の知財力2
荒井寿光  知財評論家(元・特許庁長官)
中国の知財力は米国の脅威になるほどに高まり、米中知財戦争が発生した。米中の技術覇権を巡る争いでもあり、摩擦は当分続くであろう。中国は国際競争力を高めるため、知財で他国に負けない「知財強国」の建設を目指している。中国を単なるニセモノ大国として見下ろすような段階は終わり、むしろ科学技術や知財力で日本を追い抜き、知財訴訟に関しても日本より進んだと言える状況になっている。日本は謙虚に中国の知財訴訟に関する法律や裁判の運用を見習うことが必要である。 /// 続きは本誌ご参照

  2018年11月号(通巻298号)

FOCUS
第22回日中民商事法セミナー報告2
小杉丈夫  公益財団法人国際民商事法センター理事・弁護士
1996年以来22年間続く日中民商事法セミナーは、本年度よりその取り扱いテーマに「ハイテク分野に関する交流」を加えて2部構成となった。今年7月に開催された第22回日中民商事法セミナーの概要をレポートする。(本セミナーの詳細記録は、国際民商事法センターのWEBに掲載される予定なので併せて参照願いたい。) /// 続きは本誌ご参照
第22回日中民商事法セミナー抄録4
藤田昌和  日中経済協会調査部プロジェクト担当部長
開会あいさつ―宮原賢次(公益財団法人国際民商事法センター会長):第22回を迎えることができて嬉しく思う。今回から法律関係に加えて「ハイテク分野」で日中経済協会に協力いただくことになった。最初に「一流のビジネス環境を構築するための知的財産権保護の強化」について楊潔法規司長に、続いて「デジタル経済協力の新領域開拓の機会をとらえる」と題して、任志武副秘書長兼ハイテク産業司長に講演いただく。管轄部署の責任者から直接事情をお聞きする真に有益な機会。セミナーが有意義なものになるよう祈念している。 /// 続きは本誌ご参照

  2018年8月号(通巻295号)

FOCUS
地方交流を強化し、Win・Win協力の深化を―第3回中日省長知事フォーラムを終えて2
李小林  中国人民対外友好協会会長
中国から5省の省長、副省長および日本から7県知事が出席し、5月11日に開催された中日省長知事フォーラムには、李克強国務院総理と安倍晋三総理がそろって開幕式に出席するなど、両国関係における地方交流の役割が大きくクローズアップされた。この機会に、同フォーラムの成果と今後の発展展望について、中国側主催者である中国人民対外友好協会の李小林会長にご寄稿いただいた。 /// 続きは本誌ご参照

  2018年7月号(通巻294号)

FOCUS
中国の科学技術発展動向―現状と課題および日中協力の可能性2
林幸秀  科学技術振興機構研究開発戦略センター上席フェロー
21世紀に入っての急激な経済成長を受けて、中国の科学技術の発展は驚異的である。中国の科学技術の強みは、豊富な研究開発資金、圧倒的なマンパワー、強固な国際的ネットワークなどであるが、他方、オリジナリティやイノベーション創出経験が不足しているといった課題もある。日本が今後とも科学技術により世界に存在感を示していくためには、中国との科学技術協力は不可欠である。 /// 続きは本誌ご参照
「緑公司聯盟年会2018」に見る中国ニューエコノミーの勃興6
岩永正嗣  日中経済協会北京事務所長
中国の新進気鋭の民営企業を中心とした企業家団体、中国企業家倶楽部・緑公司聯盟年会が4月、天津にて開催され、千人を超える内外の企業家等が参加した。世界規模の企業が増え、自信を深める中国の企業家たちは、今年はどのような議論を繰り広げたのか。 /// 続きは本誌ご参照

  2018年5月号(通巻292号)

FOCUS
深圳スタートアップ・ベンチャー企業交流団派遣報告2
杉田定大  日中経済協会専務理事
去る3月4日から8日まで、日中経済協会は、産業革新機構、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、日本商工会議所、深圳市駐日本経済貿易代表事務所と連携して、中国深圳にスタートアップ・ベンチャー企業家、銀行・証券・メーカー・商社・VCなど協会賛助会員企業(総勢63人)で構成される交流団を派遣した。 /// 続きは本誌ご参照

  2018年4月号(通巻291号)

FOCUS
中国改革・開放の40年と日中関係2
天児慧  早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授
40年にわたり中国の経済発展を支えてきた「改革・開放」政策。発展への道のりは決して平坦ではなかったが、中国はGDP世界第2位の大国にまで成長した。日本は改革・開放当初から対中投資やODAなどを通じて、中国の経済発展に大きく貢献してきた。本稿では改革・開放40周年を念頭に、これまでの中国の改革・開放の歴史について解説する。 /// 続きは本誌ご参照

  2018年3月号(通巻290号)

FOCUS
19回党大会から中日経済・貿易協力の新たなチャンスを探る2
宋耀明  中華人民共和国駐日本国大使館経済商務公使
2017年1月に中華人民共和国駐日本国大使館の宋耀明経済商務公使が日本に赴任され、すでに1年が経つ。その間、大局的な視点で日中経済関係をみると同時に、多くの日本企業経営者とも交流を重ねてきている。日中経済関係が良い流れをみせている中、17年10月に中国共産党第19回全国代表大会が開催され、中国の新たな運営方針が示された。同大会での決定を受け、今後の日中経済関係の展望について、宋公使よりご寄稿いただいた。 /// 続きは本誌ご参照
「科学技術+金融」でさらなる高みを目指す「前海」4
王焱侠  前海蛇口自由貿易片区管理委員会副主任、前海深港現代服務業合作区管理局副局長
世界からその経済成長モデルが注目を浴びている都市の一つとして、深圳市を挙げないわけにはいかない。その深圳市の中でも香港に隣接している前海地区は、経済発展条件の優位性が際立っており、日本にとってビジネスチャンスに溢れているように映る。2017年12月11日、来日した前海蛇口自由貿易片区の王焱侠副主任一行は日中経済協会で説明会を行ったが、立地、資金、物流、人材、優遇政策など、あらゆる発展の要素が詰まった興味深い内容であった。本稿ではその概要を紹介する。 /// 続きは本誌ご参照

  2018年2月号(通巻289号)

FOCUS
日中省エネルギー協力の重要性2
山下ゆかり  一般財団法人日本エネルギー経済研究所理事
昨年は日中国交正常化(日中共同声明、1972年9月29日署名)と日中友好の親善大使として中国からパンダの「カンカン(康康)」と「ランラン(蘭蘭)」が贈られてから35周年であったが、2018年は78年8月12日に締結された日中平和友好条約40周年の節目を迎える。折しも上野動物園にパンダの赤ちゃん「シャンシャン(香香)」が誕生したことで、日中関係に思いを馳せる関係者も多いことであろう。本稿では日中の省エネ分野での協力を中心にこれまでの経緯を振り返りつつ、新たな段階に入る日中省エネルギー協力の重要性について述べたい。 /// 続きは本誌ご参照

  2018年1月号(通巻288号)

FOCUS
第19回党大会後の中国2
高原明生  東京大学大学院法学政治学研究科教授
これからの5年を担う新たな指導体制が決まった。また、大会では、習近平氏を核心とする党中央のもとで、新時代の中国の特色ある社会主義思想により、近代化建設を推進し、人民の素晴らしい生活を実現し、人類運命共同体を構築することなどが目標に掲げられた。今次党大会の様々な決定は、世界に大きな影響を及ぼすものと予想されるが、政治学の観点からその意義と注目点を読み解く。 /// 続きは本誌ご参照

  2017年12月号(通巻287号)

FOCUS
日中民商事法セミナーの歩みと新展開2
小杉丈夫  公益財団法人国際民商事法センター理事・弁護士
日本や西欧諸国が依って立つ「法の支配」とは根本的に異なる「依法治国」という理念のもとでも、日中の間に透明性と予見可能性の高い法的環境を整備し、中国の法制度の改善を促す実際的アプローチの積み重ねが日中両国の利益につながると確信する。 /// 続きは本誌ご参照

  2017年11月号(通巻286号)

FOCUS
過渡期の国際政治体制下での日中間の構築的協力の可能性2
田村暁彦  政策研究大学院大学教授
現在、国際社会はグローバル化の反動で政治ユニットがフラグメント化する過程にある。この新しい時代に対応する国際社会の安定化機能を考案し構築する必要があり、そのためには、普遍主義に裏打ちされた正当性ある「権威」をいかに確立し、資源配分・利害調整システムである「規範」体系を構築するかが問われる。日中間協力においてもこの安定化機能を再構築する協力、すなわち「構築的協力」が求められる。「権威」および「規範」体系の構築作業は、透明性・公平性や持続可能性・人権等「普遍的価値」を巡る国際輿論が基盤となる。我が国自身が、普遍的価値を体現する存在となり、国際論壇の活性化を牽引すれば、日中間「構築的協力」を主導的に行うことができるだろう。 /// 続きは本誌ご参照

  2017年3月号(通巻278号)

FOCUS
変容する世界、日中協力の新展開―グローバリズム再生への協力メカニズムを探る2
福川伸次  地球産業文化研究所顧問、日中経済協会21世紀日中関係展望委員会委員長
1989年ベルリンの壁が崩壊した当時、世界の人々はグローバリズムの時代が来ると期待した。ところが、21世紀に入ると経営資源が低廉な生産コストを求めて世界に展開し、世界経済が多極化に向かう。その結果、米国、EU、日本などの国力が低下し、一方、中国、ロシアなどが影響力を高めた。こうした多極化構造が国際政治上の空白を招いた。湾岸戦争を契機に中東地域が不安定に陥り、地域戦争や宗教対立も多発した。2001年9月の「9・11」事件以来テロ活動が活発となった。ウクライナ紛争を契機にロシアと欧州の対立が続いている。01年に中国がWTOに加盟し、世界貿易の自由化を加速したが、同年に開始されたドーハ・ラウンド交渉は失敗に終わり、世界はメガFTAの時代に移る。世界経済運営の体制がG8からG20となったが、効果的な政策合意に効果を発揮し得ずにいる。 /// 続きは本誌ご参照

  2017年2月号(通巻277号)

FOCUS
新次元の日中産業協力実現に向けて―第10回日中省エネルギー・環境総合フォーラムから2
岡本巖  日中経済協会理事長
第10回日中省エネルギー・環境総合フォーラムが2016年11月26日北京で開催された。日本から世耕弘成経済産業大臣および宗岡正二日中経済協会会長、中国側は徐紹史国家発展改革委員会主任および高燕商務部副部長と両国主催機関のトップが4年ぶりに勢ぞろいした。参加者は、中国側の予算節約方針もあり、抑制的にしたが、結果的には双方合計800人を超えることになった。本フォーラムのユニークな特徴である日中協力プロジェクトに関するMOU等の調印披露は15年の26件を上回る28件に達し、着実な案件形成が進んだと評価することができる。また、フォーラムの改革試行の第一歩として、本番に先立つ8月初旬、国家発展改革委員会対外経済合作弁公室と日中経済協会の共催で、省エネと大気汚染防止をテーマに北京市および山東省淄博市でミニフォーラムを開催し、双方のニーズ、技術、価格評価、グリーンファイナンス等について意見交換を行い、マッチング機会を設けたことも一助になったと思われる。こうした成果を踏まえ、両大臣は本フォーラムの継続と協力内容の拡充を柱とする覚書に調印し、当協会は引き続き日本側において実施の実務を担うことが謳われた。 /// 続きは本誌ご参照

  2017年1月号(通巻276号)

FOCUS
中国の行方―習近平の経済・政治・外交2
津上俊哉  津上工作室代表
2016年12月7日、本年度第5回目となる21世紀日中関係展望委員会を開催し、津上工作室の津上俊哉代表に、「中国の行方―習近平の経済・政治・外交」というテーマでご講演いただいた。本稿は、その時の講演内容をまとめたものである。 /// 続きは本誌ご参照

  2016年12月号(通巻275号)

FOCUS
中国の知財戦略は急速に発展2
荒井寿光  知財評論家(元特許庁長官)
中国は外国からの技術導入によって工業化に成功した。今や自主技術の開発と特許化により国際競争力を高めている。中国は手ごわい知財強国に変わりつつある。中国をいつまでも知財後進国として見ているのではなく、米国に次ぐ知財先進国として交流する段階に移っている。 /// 続きは本誌ご参照

  2016年10月号(通巻273号)

FOCUS
時の目と鳥の目で見た日中経済関係13
井出亜夫  JCMS(日中管理学院)アジア交流塾長
中国経済減速、前年比成長率X%ダウンという新聞報道を時々見かけます。鳥の目、時の目で観察せず、虫の目で見た現在の代表的事例と言えましょう。虫の目から鳥の目に転じてみましょう。中国の経済成長率は、かつての10%を超える成長から、7%前後の成長に軌道を移しています。しかし、この成長率は、世界的に見れば極めて高い成長率であります。さらに時の目で観察すれば、20年来続いた高成長は、新常態(NewNormal)、第13次五カ年計画の下で中成長に転換し、いずれはこれも、先進国経済なみの成長の限界に至ることは十分予想されることです。中国は、改革開放政策以来、社会主義市場経済の推進、国有企業の在り方に関する政策的検討、外国企業との関係強化を図ってきました。その結果、2010年には、日本を抜いて、世界第二の経済大国となりました。戦後復興、近代化促進による高度成長、その過程(1968年)で西独を抜く自由世界第二の経済大国の途を歩んだ日本の過去を振り返れば中国の経済成長の経緯を理解することは容易に可能です。一方、中国経済に様々な問題が在ることは、論を待ちません。膨大な国土と人口を有する中国の近代化、発展途上国からの飛躍の途上で経験する様々な問題です。先進国に見られる同質経済の中で抱える構造改革をはるかに超える問題の所在に中国の関係者自身が苦闘している事実を垣間見ます。 /// 続きは本誌ご参照

  2016年9月号(通巻272号)

FOCUS
「ロボット革命イニシアティブ協議会」の活動について2
久保智彰  ロボット革命イニシアティブ協議会事務局長
これまで我が国はロボット大国と言われてきたが、一方で少子高齢化、インフラ老朽化に対処するためにロボットのいち早い活用が求められる、ロボット利活用課題先進国であるともいえる。また、ドイツの「インダストリー4・0」、米国の「インダストリアル・インターネット・コンソーシアム」、および中国の「中国製造2025」の動きにみられるようにIoT時代に対応した新たな生産プロセスの開発やサプライチェーン全体の最適化を目指す官民挙げての取組みが本格化してきている。こうした動きを踏まえ、2014年に首相官邸に設置されたロボット革命実現会議は、昨年1月23日、我が国の戦略として「ロボット新戦略」を提案し、政府は同2月10日、日本経済再生本部において、これを政府の方針として決定した。 /// 続きは本誌ご参照

  2016年7月号(通巻270号)

FOCUS
第10回中国企業家倶楽部年次総会(中国緑公司年会)の結果概要2
篠田邦彦  日中経済協会北京事務所長
4月22~23日に山東省済南市で開催された中国企業家倶楽部年次総会(中国緑公司年会)で、中国の新進気鋭の民営企業トップたちから今後10年の中国の経済・産業に対して強気の見通しが示されたほか、日中両国の企業家のビジネス交流を進める中日ビジネスフォーラムも開催された。以下、中国の民営企業の最近のベンチャービジネスのモデルの紹介も含めて、報告を行うこととしたい。 /// 続きは本誌ご参照

  2016年6月号(通巻269号)

FOCUS
第34回日中経済知識交流会―日中友好交流の原点・西安開催―に参加して2
岡本巖  日中経済協会理事長
中国の改革開放が始まった直後、鄧小平氏の提唱により、1981年に谷牧副総理と大来三郎元外務大臣・経済企画庁長官との話し合いを契機に発足した日中経済知識交流会は、両国の経済・産業政策および企業戦略に経験を有するメンバーで構成され、お互いの経済状況と優先課題の取り組みに関する率直な意見交換会の機会として貴重な役割を果たしている。現在日本側は福井俊彦元日銀総裁が座長、福川伸次元通産省事務次官が顧問を務め、私もメンバーの一員。中国側は李偉国務院発展研究中心(DRC)主任が座長、張志剛商務部元副部長のほか、財政部、国家発展改革委員会、国有資産監督管理委員会、商務部、DRCの局長クラス多数が参加。毎回1日半、世界経済情勢、日本および中国の経済情勢につき情報共有、課題指摘を行うと共に、その時々の重要テーマにつき討議。第34回となった今回は、「イノベーションと構造改革」をテーマとし、4月21から22日昼まで、陝西省西安で開催された。唐の都長安であり7世紀阿倍仲麻呂、空海、吉備真備等が律令制度、先進文明、仏教等を学んだ日中友好交流の原点。 /// 続きは本誌ご参照

  2016年5月号(通巻268号)

FOCUS
現下の中国経済情勢と中日経済貿易協力の展望2
劉亜軍  中華人民共和国駐日本国大使館経済商務公使
中国は、2010年から世界第2の経済体となり、世界経済に対する牽引力は日増しに増大している。現下の中国経済は「新常態」に入り、GDPの成長はコントロール可能なバランスのとれた運行段階にあるが、グローバル貿易の縮減等の影響を受け、15年の中国の輸出入総額は下降し、所期の成長目標は実現していない。こうした中国の経済情勢と中日経済貿易協力の前途をどうみるかは日本各界の関心事となっている。 /// 続きは本誌ご参照

  2016年2月号(通巻265号)

FOCUS
中国第13次五カ年低炭素・エネルギー計画の基本方針と日中協力への示唆2
李志東  長岡技術科学大学大学院情報・経営システム工学専攻教授
中国にとって2015年は、第12次五カ年計画の最終年であった。年平均7%の経済成長目標も、省エネやGDP当たりCO2排出量削減、非化石エネルギー利用拡大等の低炭素目標も達成できる見込みである。16年は第13次五カ年計画が始まる年である。「新常態」定着と「パリ協定」遵守を目指して、どのような低炭素・エネルギー総合対策が取られるかが注目される。本稿の目的は、「新常態」と計画目標の達成状況、「パリ協定」合意における中国の役割を概略すると共に、次期五カ年計画の基本方針と日中協力への示唆について検討を試みることである。 /// 続きは本誌ご参照

  2015年9月号(通巻260号)

FOCUS
ADBの対中アプローチと日本企業への期待2
小西歩  アジア開発銀行東アジア局局長
アジア開発銀行(ADB)で中国を管轄地域に持つ地域業務局の局長が日本人であることは、あまり知られていない。もちろんそうしたことを知らしめる努力を全くしていないという事情はある。ただ、『日本人であるが故に苦労』していると思ったことは無い。むしろ文化歴史に共通認識が有り、漢字が読めるということで意思の疎通がしやすい面があり、日中関係の緊張とは裏腹に、ADBと中国との関係は良好だと思っている。新しい開発銀行を作るだけの資金力を持つまでになったとは言え、中国はADBとの相互協力関係をさらに深化させたいと希望している。『融資』を通じてADBから得られる『知見』に、中国が現在直面している問題の解決の鍵があると考えていること、またADBをプラットフォームとしての南々協力を、そのグローバリゼーション戦略の中で重要視していることが理由だと思われる。 /// 続きは本誌ご参照

  2015年5月号(通巻256号)

FOCUS
「新常態」下の中国経済―中国発展高層論壇2015から2
岡本巖  日中経済協会理事長
3月20日から24日まで北京へ出張した。全国人民代表大会終了後に毎年開催される国務院発展研究中心主催の「中国発展高層論壇2015」への参加が主目的である。3月5日に開幕した全人代初日、恒例の李克強国務院総理による「政府活動報告」を例年になく注意を払って通読した。その中で特に注目されたのは、李克強総理が随所で、中国経済の現状についてかつてなく率直なトーンで直面する困難や課題を指摘したことである。曰く、中国経済は昨年来内外両面で下振れ圧力に直面している、今年直面する困難は昨年よりもさらに大きくなる可能性がある、現在中国は「三期重複(成長速度の変換期、構造調整の陣痛期、過去の刺激策の消化期)」の矛盾に直面している、と。こうした厳しい現状認識を踏まえた上で、安定成長と発展パターンの転換、その鍵を握る「全面的な改革深化」の実行という言わば二兎を追うチャレンジングな経済再興戦略に向けての習近平指導部の堅い決意が述べられた。 /// 続きは本誌ご参照

  2015年2月号(通巻253号)

FOCUS
中国のエネルギー・環境分野の「新常態」と日中協力への示唆2
李志東  長岡技術科学大学大学院経営情報系教授
中国にとって、2014年は「新常態(ニュー・ノーマル)」が始まった年である。習近平指導部は13年の発足後、一貫して「経済規模や成長率重視」から「成長の質と効率重視」への戦略転換を図り、2年目にして「環境犠牲の下での高成長」という従来の常態から脱出させつつある。通年の経済成長率が政府目標の7.5%を下回ることを容認したことはその最たる証左であろう。本稿の目的は、経済社会発展の「新常態」に対応する中国のエネルギー・環境総合対策の現状を明らかにすると共に、その中長期展望と日中協力への示唆について検討を試みることである。 /// 続きは本誌ご参照

  2014年6月号(通巻245号)

FOCUS
日中経済相互補完関係の再確認2
岡本巖  日中経済協会理事長
日中間の貿易・投資が低迷している。中国のビジネス・コスト上昇の影響大であるが、この間、米国、ドイツ、韓国等の対中ビジネスは著増している。日中の政治外交関係はかつてなく厳しい状況にあるものの、相互依存・補完を基調とする両国経済関係は日中戦略的互恵関係の基礎である。両国は、各々経済構造転換の真最中である。両国のビジネスパートナーは、永年先人の努力により積み上げてきた人的・物的基盤を踏まえつつ、今日的な相互のニーズとリソースの組み合わせにより、Win-Winの経済協力関係を再度拡大すべきではないであろうか。この点を、(1)中国経済の「中速」成長持続可能性、(2)「課題先進国」日本、(3)地域経済連携の3方面から考えてみたい。 /// 続きは本誌ご参照

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